らせん流本コースの卒業生たちの集まりに「体楽塾」があります。
文字通り、体を楽しんでいく塾。
本コース修了後、体がラクで気持ちよい動きを続けて探っていく中で気づいたことを、互いにシェアしながら、さらに動くことの気持よさを深めていく会です。
ここで私の日々の探究(朝、布団の上で寝ボケまなこで行うことがほとんど)の最前線もバンバンお伝えしていきます。
そんな集まりを月4回、zoomと対面でやっているのですが、毎回、人の無限の可能性を楽しむ話とワークで盛り上がってます。
どんな些細なことでも、頭の中の知識でなく、「動く体」を通して自身が得た気づきは、年齢・性別、そして細部は違っても同じ体を持つ者に「言われてみると、それ、なんとなくわかるかも~」と響くんですね。そして、その気づきが、それを受け取った者の体を耕し、体に秘められた可能性をどんどん開いていく。面白いものです。
先日の会では、もうすぐ79歳になられるランナーの方のシェアに「なるほどな~」と大きくうなずきました。
「最近、あらかじめ決めたトレーニング計画でなく、その日の体と心の状態に合わせて動くコツをつかんできました。走りたくなければ走らない。走っている途中で疲れてきたら歩く、また、走りたくなったら走る。それで調子が上がって速く走りたくなったらスピードを上げていく。都度、体の調子に合わせてメリハリのある体の鍛え方、調え方、生活をするようになったら、走ること以外にもいろいろなことへ興味が広がり、どれも深いところで楽しめるようになり、毎日がより豊かになっています」
これって、極意ですよね!
自分の心と体との信頼関係、対話力が育ってないとできないことです。
ランナーでいえば、レースでの目標タイムに向けて、時計が示すタイムや距離や心拍数に体を合わせて走ることに専念。体感より数字を頼る。ランナー以外の世界でも、似たようなこと、たくさんありますよね。
この方、60歳から走りはじめ、70代半ばまでフルマラソンは3時間台。市民ランナー界ではレジェンドと呼ばれている方です。
といって、記録だけを追いかけてきたのではなく、走りはじめたときから、楽しむことを第一にされてきました。
ですが、〇月のレースをこのくらいのタイムで楽しく走るには、この時期にはこのくらいの練習をしておかないと、という縛りからなかなか抜けられず、蓄積疲労で体調を崩されたんです。
そして、そこから新たなランニングとのつき合い方を、ご自身の体と相談しながら辿りついたのが今のやり方です。
さらに、
「多くの人がいろいろなことに興味を持っても、ノウハウをそのまま一通り実践して終わり。自分に落とし込むところまでいかない。一度自分が好きなことに出会ったら、ノウハウを学んだあと、自分なりに少しでも掘り下げていくとその世界の楽しみが深まり広がる。そうして得たものは他の分野にも通じてきて、日常が豊かになっていくのにな」
と。
そうなんですよね。何かを学んで、実践したあと、
「……ということは?」
とか
「これって、どういうこと?」
という問いかけを自分にして、一歩掘り下げてみる。
この問いかけをするクセをつけていくと、生きる世界に深みが増し豊かになってくるんですね。
まあ、そればかりして、コトがなかなか進まない私ではあるのですが(笑)
最後までお読みくださり、ありがとうございました。