バレンタインデーを2日後に控えた休日、娘と一緒に「ザッハトルテ(もどき)」を30年ぶりに作りました。娘があちこちにお礼で配る用と、私が夫と息子に渡す用と、自分が食べる用です。
ザッハトルテはウィーン生まれ。「チョコレートケーキの王様」とも言われています。大学時代、パティシエを目指してウィーン菓子店「モーツァルト」で修行していたとき、作り方を覚えました。
大量のチョコレートとバターを溶かしたものに卵黄と薄力粉を加え、最後に硬く泡立てた卵白をさっくり混ぜ、オーブンへ。
本来は焼きあがった後、アンズジャムを塗って、チョコレートでコーティングするのですが、そこは袋詰めする関係で省略。だから「もどき」です。
毎年この時季になると、娘の「かあ(こう呼ばれています)がケーキを作っている時の動きって、サマになっているんだよね。プロを目指していた時の片鱗を感じて見ているの好き!」なんて調子のいい言葉にそそのかされ、屋根裏からケーキ型とプロ用の道具を下ろしてきます。
作り始めると確かに体の中でピシッとスイッチが入るのを感じます。体が勝手に動くのです。体の記憶というのは大したものです。
クセの強い動きを記憶していると厄介ですが、ケーキ作りに関しては、昔、体が覚えた動きで足りないところを、らせん流でみつけたラクな動き方が自然に補い、若い頃よりずっと滑らかに手際よく動くのです。
特に今回は、卵白を「手動で」角が立つまで泡立てる工程でそれを感じました。
今回、特に意識をしていたのは、2つ。
ひとつは豆状骨を意識して泡だて器とボールを持つこと。
もうひとつは、前腕の真ん中あたりに関節があるつもりで、(手首ではなく)そこを支点に泡だて器を回すこと。
これで全身が連動してきます。
全身がつながって動くと、なぜか足が床ともつながり、足裏が床にピタッとつく。これで全身から力みが消えてラクに立て、滑らかに気持ちよく動けるのです。
出来あがったザッハトルテ(もどき)は、とても美味でした。
作っている人の体がラクで気持ちいいと、それがケーキにも伝わり、ケーキも美味しくできる。そんな仮説が浮かびました。
それを実感したとき、ケーキ作り熱が再燃するのを感じました。
そうそう、豆状骨ってナニ? ですか?
このメルマガではよく登場する全身の動きをラクにする「魔法の骨」です。
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