今年のこの日も
やはり
晴れ渡っている。
私の生まれた冬の朝も、
美しく晴れ渡った朝だったという。
だから、
私はこの名前になった。
毎年、この時分、
東京はよく晴れている。
寒いし、
風は冷たいし、
やさしくはない。
けれど、
この凛とした空が好きだ。
どこか春に向かう気配を秘めている光が好きだ。
寒さに震えながら、
内に力を蓄えている樹々や草たちが好きだ。
この季節に生まれたものには、
そういう力が備わっていると思いたい。
今朝、父と母の写真に向かって手を合わせながら自然に浮かんだ言葉は
「このイノチを大切にします」
「お天道さま、ありがとう」
そんな思いを抱いて、
今日、お天道さまを周る60回目の旅を始めます。