
陸上競技の日本選手権が、7月6日に終わりました。
連日、食い入るようにテレビ観戦。
やはり、走る人を観るのが大好きです。飽きない。
でも今回、私が心を奪われたのは、単なる記録や勝敗ではありません。
選手たちの「在り方」そのものに、胸が熱くなりました。
これは、陸上競技に興味のない方にも、ぜひ見てほしいと感じた光景です。
「競う」ことを超えた先にある、スポーツの真価のようなものを、はっきりと感じたからです。
それはまさに、“競争から共創へ”という変化の兆しでした。
そして、これは私が、らせん流を通して目指している世界でもあります。
今回、特に印象深かったのが、トラックの最終種目。
大会の華、トリを飾った女子100mハードル。
ここ数年、競技のレベルアップがすさまじく、
日本のトラック&フィールドの中で、男子の110mハードルと並んで、
世界に最も近くなってきた種目です。
その背景にあるのが、元日本記録保持者で東京五輪代表でもあった
寺田明日香選手の存在です。
現在34歳、1児のお母さん。
10代の頃から注目されていましたが、23歳で一度引退。
結婚・出産後は7人制ラグビーへ転向し、スピードを活かして活躍。
しかし大きなケガを経て、再び陸上の世界へ。
そして復帰早々、日本記録を更新。
そこから彼女がけん引する形で、所属チームを超えて
ライバル同士がアドバイスを送り合い、
ともに世界を目指す空気がハードル界全体に広がっていきました。
彼女たちは、スタート前、静かに自分のレーンに立ち、10台のハードルを見つめ、自分に集中します。
ピストル音と同時に、0.何秒を競う真剣勝負。
そしてゴール後には、円陣を組んで健闘を称え合い、
8名のファイナリストが手をつないで観客にお辞儀をします。
そして、一人にかえり、それぞれが自分の課題を見つけ、
さらなる向上を目指して、自分磨きを共に続けていくのです。
この日、男子のやり投げでも、
優勝選手が「優勝できたのは、他の選手のアドバイスのおかげ」と語っていました。
フィールドでも、ライバル同士が互いに高め合う――
そんな在り方が、確かに広がっていたのです。
これまで、スケートボードなど若い世代のスポーツでは、
ライバル同士が励まし合い、尊重し合う場面を見てきました。
でも、それが今、長い歴史のある陸上競技の世界でも
起きはじめていることに、私は深く胸を打たれました。
走る、跳ぶ、投げる――
人間が生きるうえでの基本動作を磨き、競う陸上競技は、
体のスゴさを、最もわかりやすく伝えるスポーツ。
その競技がいま、「誰かを打ち負かす」のではなく、
「ともに高め合う」場へと進化している。
この変化は、きっとスポーツの中だけにとどまらず、
私たちの日常にも、“競争から共創へ”という在り方が、
静かに広がっていくのではないか。
そんな希望のようなものを感じました。
そして先日、日本陸上競技連盟の会長に、
有森裕子さんが立候補し、当選されました。
彼女は、私が最も尊敬するアスリートの一人です。
バルセロナ五輪前からアトランタ五輪後まで、
何度か取材をさせていただいたご縁もあり、
お祝いのメッセージを送りました。
すると、すぐに「愛される陸上競技をつくるべく、覚悟を持って頑張りたい」
というお返事をくださいました。
彼女の誠実な人間性を、あらためて感じました。
9月には東京で世界陸上が開催されます。
勝ち負けを超えた“在り方”に、
動きの美しさに、見入っていきます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
●追伸
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