
このところ、実はちょっと、元気度が下がっていました。
らせん流株式会社のホームページづくりに、ロゴ制作、
さらに新しいオンライン教材の制作も進めていて――
苦手なPCワークが続き、
本来みずみずしくあるはずのイノチが、ぱさぱさに干からび、すぐに息が浅くなるのを感じていたのです。
私、30代後半、それまでがんばりすぎたツケで、「腎虚」という症状に陥り、難儀しました。そのときの症状を10倍薄めたような症状をうっすらと感じたのです。
「これはいかん!」と思い切り急ブレーキを踏み、立ち止まりました。
そして、気づいたのです。
ああ、自然の中で過ごす時間が足りてなかったんだ――と。
このままでは、体と心を調える歩き方を伝えている者としてマズイ。
いや、それ以前に、ヒトとしてマズイ。
そう気づいて、自然の中に身をゆだねる時間を、意識的に取り戻しました。
柿の木の下で本を読んだり、寝転んだり。
足をつくたびに、草たちの声に耳をすませたり。
畑でも、ただ作業をこなすのではなく、
土や野菜たちに丁寧にふれながら、心を交わしていくように。
すると、その時間と質に比例するように――
私のイノチが、すこしずつ、みずみずしさを取り戻していったのです。
前号でも少しご紹介しましたが、
医学の父・ヒポクラテスのこんな言葉があります。
「自然は人間にとって最良の医者である」
「人間の自然は、医師ナシで自らを癒す力を持っている」
さらに、彼の思想を要約したとされる言葉も――
「人は自然から遠ざかるほど、病気に近づく」
……この言葉には、ドキッとしました。
きっと、どこかでうすうす気づいていた。
でも、はっきりと言葉にされると、
矢のように心に刺さったのです。
今、私たちが生きている世界では、
「何が真実か」を見極めるのが本当に難しくなっています。
情報には裏の裏の裏があり、
気づかぬうちに、心も体も揺さぶられてしまう。
だから私は、迷ったときは――
お天道様=自然の法則に従おうと、決めました。
「自然の法則」って、私の中ではこういうものです。
すべてのものがつながっていて、
調和の方向を目指して、変化し続けていること。
その法則を、まずは
自分の体の中に取り戻していくこと。
そして、そのプロセスそのものが、
らせん流の歩みになっていくのだから、
流されずに、そこに軸足を置いていくこと。
それが最優先であることを、
今回、私の体は教えてくれました。
少し元気が足りなくなっていたら、
自然の中に足を運び、大地の感触を足の裏で丁寧に感じながら、空を見上げてみてください。体が大切なものを思い出すかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
らせん流 小松美冬

