WBC(ワールドベースボールクラシック)、ご覧になられましたか?
私?
開幕前はそこまで関心なかったのですが、予選の初戦を見たとき、野球が楽しくて面白くてしょうがない野球小僧たちが、その気持ちを前面に出して一丸となって戦っている姿に「こ、これは何か起きるに違いない!」って感じて、結局、全試合、しっかり応援しつつ観戦。ヒリヒリ、ドキドキ。お茶の間応援団兼(時々だけど)動きのプロの目線で楽しみました(笑)
野球が大好きな奴らが本気でとことん楽しんでいたら、野球の神様もじっとはしてられない。野球の面白さを伝える演出を手伝ったんじゃいか、とさえ思える決勝戦でした。
優勝後のインタビューでチームを引っ張ってきたダルビッシュ選手が
「まずは楽しもうと言ってきた。そのうえで勝てたのでよかった」
と。ああ、時代は確実に変わりつつあるな~と感慨深く。
勝つことの前に楽しむことがあり、楽しむことを深めていく先に勝つことがあり。
こんなふうに日本のスポーツの在り方がトップから変わっていくって大きいなと。
そんな中、準々決勝まで超不調でチーンと沈んでいた日本の三冠王、村上宗隆選手が決勝でホームラン。
バッティングフォームも全身が見事につながって美しかったけれど、ダイヤモンドをゆっくりゆっくり回っていくその姿に「おっ、こ、これは!」と目が留まりました。
私の理論では、ゆっくりの動きが美しい人は、体の構造通りの動きができている、つまり全身がひとつながりの動きができているんです。
超一流選手はその競技特有の動きも美しいですが、その前に立ち方、歩き方、そして走り方も美しい。
イチロー選手もそうでした。
と言って彼らは立ち方、歩き方、走り方を専門的に習ってはいないはずです。
彼らはもって生まれた抜群の運動センスをベースに、専門種目の動きを極めているわけです。
それが自然の理に適った動きの方に進んでいけば、動きの基本である立ち方、歩き方、走り方にも当然現われてくる。
あるいは、持ち前の運動センスによってもともと立ち方、歩き方、走り方もよくて、それをベースに専門種目の動きに磨きがかかったとも言えます。
どちらにしても、立ち方、歩き方、走り方がどんくさいのに、専門種目の動きだけが超一流ということはないんです。
だって、体は一つですから。
専門種目の動きをつなぐのは、立ったり歩いたり走ったりの動きです。
練習以外の時間も立ったり歩いたり走ったりしてます。
ふつう、その時間の方が長いはずです。
だからその動きで体に無理をかけていたら当然専門種目の動きにも響きます。
では抜群の運動センスは持ち合わせていない凡人は歩き方、走り方、さらには専門種目があるならそれもよくするにはどうするか。
まずは、すべての運動の基本である立ち方を自然の理に適ったものに戻すことです。
自然の理に適った立ち方とは、朝礼の時の「気をつけ」ではありません。
はじめて立った時の赤ちゃんの立ち方、ゆらゆらゆらゆらゆらぎながら立つ、あれです。
「えっ?!」と思うでしょ。あれこそ、体と万有引力に任せた自然の理に適った立ち方なんです。
だから、楽で心地いい。
立つことが「快」でなければ、専門種目の動きがいいものになるはずありません!
そのための簡単な方法の一つが、足(FOOT)を中にある骨の構造を想いながらよく触ることです。
らせん流ウォークの体験会で、そのワークを最初にする理由はここにあります。
立ち方が本来に姿に戻れば、まずは日常の動きを自然の理に適ったラクで気持ちいいものにしていく道が開けます。
さらに好きでやっている身体活動があるなら、楽器演奏であれ、声楽であれ、ダンスであれ、武術であれ、スポーツであれ、書道であれ、その質がある時、突然変異して一気に上がることがよく起きています。
立ち方、ほんと、めちゃ、超、マジで大事です。