来春から小学校教員の道に進む教育学部の大学4年生が、
数か月前、「らせん流」の体験会に調査?取材?にいらした。
卒論で「運動嫌いを生まない体育教育」をテーマに研究し、
教育の現場で活かしていきたいという。
「体育」ではなく「体楽」にならないかと
常々考えていたので、
こういう研究をする若い人が、
体育大系でないところから出てきたことがうれしかった。
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詳しく話を伺うと、
ご本人、運動は大の苦手で、大嫌い。
幼稚園までは足が遅くても、
運動会でニコニコ笑いながら手を振りながら楽しく走っていた。
でも、小学校上がってからは、「ある動きができる、できない」という尺度、
「足が速い、遅い」に代表される記録という数字で評価を受け、
その上、他の教科ならテスト用紙の点数のところを折って結果を隠せるのに、
体育は皆の前でそれを見せなければならない。
彼女いわく「公開処刑」のような体育の授業が辛くなり、
運動が嫌いになり、運動不足になり、
大学生にしてすでに体のアチコチが固まってツライ。
なので、そんな自分のような人を生まない体育教育の在り方を探りたい、
その解決法の一つに、「らせん流」での取り組みがあるのではないかと、
いうことでいらしてくださった。
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その卒論の下書きを見せていただいた。
「らせん流」体験会での様子を、ご自身の体験と他の参加者の様子を丁寧に記述され、
最後に、自分の体の気持ちいいに意識を向ければ、
人との比較をしなくなる、運動で体を壊すことがなくなる。
これは、運動嫌いを生まない体育のキーになる感覚ではないか、
と締め繰っていた。
「らせん流ワークショップ」には、
運動好きなので故障なくパフォーマンスを上げたい人と、
運動嫌いだけど、気持ちいいだけなら動いてみたいという人の両方が
いらしてくださっている。
どちらに対しても、
ご自分の生物としての気持ちよさに従って動くこと、
他人と比較しないこと。
この鉄則をまずお伝えするのだけど、
これが、運動嫌いを生まないに留まらず、
動くことの楽しさを引き出すカギであり、
ひいては、生きづらさを生まないカギにもなる、と感じてきた。
この鉄則の応用範囲は広い。
まずは「体育」が「体楽」になったら、
医療費削減にもつながるし、
スポーツ界の景色もより健全になる。
そう感じている。