シンガーソングライターの竹内まりやさんが、50歳を迎える少し前にリリースした『人生の扉』。 それまでほとんどまりやさんに関心がなかった私は、この一曲で、一気にファンになりました。

さらに続く『いのちの歌』で、完全に大ファンに。
音痴なのでカラオケにはまったく興味がないのですが、もし、どうしても歌わなければならない状況になったら、この曲を歌いたい!
そう思い、一人で散歩する時に口ずさんできました。
今年70歳になる竹内まりやさんが久しぶりにリリースしたアルバム『Precious Days』。どの曲も、心に響くものばかりでした。
リリースに合わせて放送された特集番組を観て、あらためて彼女の在り方に惹かれました。 しなやかで凛とした芯が通って、自分の感覚を大切にしながら、人との日常を大事にして生きる姿。
「あんな風に生きたい!」
そう強く思える女性に、久しぶりに出逢いました。
その勢いで、今年10年ぶりに開催されるコンサートのチケットを手に入れようと、何度も挑戦しましたが、ことごとくハズレ!
そんな折、久しぶりに夫と休める日が重なり、「どこかに行こう!」となり、以前から候補にあがっていた「出雲大社参り」をすることになりました。
そこで、「“残念賞”として、『竹野屋旅館』に泊まっちゃおうか?」
と、提案したら、「え~、高いんじゃない?」
となって、調べてみると、安くはないけど、ご褒美として手の届く価格だったので、キマリ!
「残念賞?」と思いますよね。
実はこの「竹野屋旅館」、出雲大社正門前にある竹内まりやさんのご実家なのです。
以前、彼女がここでインタビューを受けている映像を観た時、気品がありながらも温かい雰囲気に惹かれていました。
明治10年創業の老舗旅館。 現在は6代目が継ぎ、まりやさんのお父上は4代目にあたるそうです。
旅館に到着した時は、強風と霰(あられ)に見舞われていました。 そんな中、番頭さん(もしかしたら、当主かもしれない(^^;)がタオルと濡れたコートを入れるビニール袋を持って飛んできてくれ、感激。
さらに、すぐに靴の乾燥機まで用意してくれて、また感激。
ようやく落ち着いてフロントへ向かうと、まりやさんの『今日を生きよう』が静かに流れてきてました。
夕食会場では、まりやさんと(まりやさんの旦那さんの)山下達郎さんの曲が交互に、品よく流れています。
「人生の扉」と「いのちの歌」が流れてきたときは、涙がこぼれそうでした。
そして、館内の至るところには、お二人の歌詞の一部をしたためた書が飾られていました。
食事もサービスも、細部まで完璧に行き届いているのに、まったく緊張感を与えず、ただただ温かく、穏やかに包み込まれる心地よさ。
「すごいだろ」と誇示するところが一つもないんです。 そして、宿泊費は、提供されたサービスを考えると「これでは割に合わないんじゃ?」と感じるものでした。
儲け主義ではなく、「縁」を大切にしているのがしっかり伝わってきました。
まりやさんの在り方には、この環境の影響が大きいのだろうな、としみじみ感じます。
もちろん、私自身の「やりたいことをやりなさい」という育てられ方にも感謝しています。
でも、目指す方向は、
ここで感じた「温かい一流」。
そう確信しました。
そうそう、人生で初めて絵馬を書いて大社に奉納してきました。
何と書いたかって?
「らせん流ウォークが日本中に広まり、一人一人が足元から幸せを感じられますように。 私も、精進していきます」
そう、心を込めて。
さて、 今日は春分で、なんと、まりやさんの70歳の誕生日。
私もまりやさんの背中を追いながら、一歩、一歩進んでいきます。

