一日の仕事の大かたを終えた夕暮れ時、自宅での仕事の日はほぼ毎日、自分へのご褒美として近くの公園へ歩きにいっています。
足で大地を感じ、空を見上げて風を感じ、木々の、草花の成長を愛でながら、全身の毛穴を全開にして季節の変化を楽しんで歩く。至福の時です。
最近は、葉が雄々しく育ってきた樹々(桜が多い)の枝からぷら~んとぶら下がりながら、上り棒ならぬ、上り糸を楽しんでいるブランコ毛虫(?)に出逢います。もちろん、ちゃんと一定の距離を保って見ています。人間にとっては害虫と聞いてますし、断じて「虫愛ずる姫君」ではないので(笑)
全長1,5センチ、径2ミリくらいの全身をくねらせて、目を凝らさないと見えないほぼ透明な細い細い糸を手繰り寄せながら、じわっ、じわっと上っていくのです。
時々、ちょっとひとやすみ、って感じで、上るのを止めて、風に揺れるままになっているときもあります。
その動きは、私が推奨している全身連動のお手本です。体の中心から動いてそれを全体に伝えている。健気でいじらしくずっと見ていたくもありますが(もちろん、気持ち悪いって感想も否定はしませんが)、見ていると、私も動きたくなるので、そこいらを一回りしてくると、20分くらいの間に、1メートル以上這い上がっていたりします。
その持続力、懸垂力に驚嘆します。
全身連動、これ動物の動きの基本の基本。「生きる」「生き切る」「イノチをつなぐ」という目的に向かって、全身どこもさぼって足を引っ張ることなく、その時々に必要な力を発揮していく姿、一体だれがこんなすごいシステムを作りだしたのかと感嘆の声をあげてしまいます。
私たちも動物です。全身が一つになって動くのが基本です。人間にとっての害虫とはいえ、見習うところは見習いたいものです。