先日の地元で開いているシニア対象の歩き教室でのことです。
参加者は60代後半からもうすぐ90歳の方まで10数人。
この一年、がんばってきた体を、労いの思いでさすってもらった後、
「らせん流RUNワークショップ」でも毎回行う「赤ちゃん還りワーク」へ。
ヤダヤダからハイハイを経て、ゆらゆらとゆらぎながら立ち上がったお顔が、
みな、ぽわんと柔らかでどこか無邪気。
そのまま歩き出してもらうと、
「これって、“プラプラ歩き”って感じじゃない?」とどなたかがぼそり。
また、どなたかが、
「私は“ゆらゆら歩き”って感じ」
「“不良歩き”はどう?」
なんて具合に次々にいろいろな名前があがってきてワイワイ。
すると、もうすぐ90歳、最高齢の方が、
「私は“ルンルン歩き”って感じです!」
そこで、ひらめきました。
「今、思いついたのですが。
次は、それぞれに、ご自分の今の気分に合った名前で歩いてみてください」
というと、皆さん、ためらいもせず、一斉に
それまでの1.5倍くらいの速さと明るい顔で歩かれたのです。
「皆さん、今、“なに歩き”をされました?」
「“ルンルン歩き”だった人?」
と聞くと、
全員が元気よく「ハイっ」。
いたずらっ子の表情をうかがわせる人もいらっしゃる。
教室の空気が一気に明るく、楽しく、ぐわっと盛り上がりました。
言葉が動きを誘い
動きが心に反映する。
帰りがけ、生徒さんが、
「体の奥がポカポカしていまぁす!」
その方の頬はほんわかピンク。
林真理子さんのデビュー作は
『ルンルンを買っておうちに帰ろう』だったけど、
体を労って、体に任せて歩けば、
何歳になっても
“ルンルン”は体の中から生まれることを目撃し、
私もルンルン帰宅しました。