日常の一歩一歩の気持ちよさ自己ベストを目指す

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らせん流®タオRNNING倶楽部

ランニングセラピスト®小松美冬主宰 東京・国分寺を中心に教室を開催中

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小さい頃から走るのが、大好きでした。

小さい頃は、もちろん自覚してはいなかったけれど、

今、からだに残る記憶をたどってみると、

おそらく、そのころから、

走ることで、

風や大地を感じるのが好きだったんだと思います。

 

大人になってからは、

身心を活性化してくれるランニングは、

その地の風土を感じる一番の手段だと感じていたので、

旅に、ランニングシューズとウエア必携。

 

鳥取砂丘、北アルプスの涸沢、屋久島の屋久杉ランド、

ニュージ―ランドのマウント・クックのタスマニア氷河…、

 

トレイルランニングなるものが流行るずっと前から、

いろいろな地を走ってきました。

 

***

 

それぞれの土地を走る脚で感じた感覚が、

わたしのからだに残っているような気がするのですが、

一番強烈で、忘れえぬ体験があります。

 

28歳の時、ニュージーランドの南島、

マウント・クックの麓に1週間ほど滞在し、

そこら中をひとりで走りまわっていました。

 

ある日、氷河に削られたフッカー渓谷のウォークトラック(遊歩道)を

走っていたときのことです。

 

ウォークトラックのほかには、

人の手がほとんど入っていない、

まるで太古の地球の素肌がそのままの大地を、

足の裏でその肌さわりを味わうように

一歩、一歩、進んでいました。

 

行き交うハイカーはひとりもなく

聞こえてくるのは、

 

風の音と

自分の呼吸の音と

心臓の音と

足音・・・。

 

吐く息が大気に溶け込み、

からだの重みが大地に吸い込まれ、

自分の内と外の境が消え、

外にあるものと内にあるものが

融けていくような不思議な感じに

包まれていきました。

 

すると、突然……、

 

生きているって幸せ……、

そんな思いが、

ぐわわわ~っと

からだの奥底から、

こみ上がってきて、全身を駈け廻り、

とてつもなく安らかな深い懐に

抱かれていったのです。

 

おおいなるもの……

 

そんな言葉が、ふと、

はじめて実感を伴って浮かびました。

 

ただ、

ただ、

ただ、

 

このまま、

おおいなるものに身をゆだねながら

どこまでも走り続けたい…

そんな思いに任せて

 

一歩、一歩

大地を愛でるように

足を進めていく・・・。

 

そんな体験です。

 

***

 

実はこのとき、

自然の理に反したからだの使い方のまま走りすぎて、

わたしのからだは

かなりガタついていました。

 

自分の中の自然を壊しつつあったのです。

でも、当時はそのことにまだ気づいていませんでした。

 

***

 

ニュージーランドは、

思わず人が走り出したくなる大自然が

日常空間にあり、

今世界で行われている中長距離走のトレーニングの基礎を築き、

ジョギング生みの親でもある

アーサー・リディアードの国。

 

ランナーにとっては、聖地ともいえるような国なのかもしれません。

 

そんなところを

走る歓びを爆発させて走りまわり、

そのうえで、

マラソンでの自己記録の大幅な更新を・・・、

なんて、企んで

28歳の時、嬉々としてニュージーランドに渡りました。

 

しかし、今思えば、そのときすでに、

それまで、動きを見直すことなしに、

距離を追って走り続けてきたことと、

ニュージーランドに渡る前に起こした

自転車事故でからだがかなり歪んでいたのです。

 

でも、記録を更新への熱い思いと、

景色のいいところを走り回る愉しさに心が奪われていたから、

からだが発していたはずの、

「このまま走るのはまずいんだけど…」の声は

聴こえませんでした。

 

1年のニュージーランド滞在の最後に走ったマラソンで

自己記録は更新したものの

その数年後、さらなる記録更新を目指して、

そのからだのまま走行距離を追いかけたことで、

走るどころか、普通に歩くことさえままならなくなりました。

 

***

 

いわゆる宇宙を大宇宙、

私たちの体を小宇宙と表すことがありますが、

その小宇宙の摂理を、

マラソンでの自己記録を更新したいという我欲が、

無視させていたのです。

 

にもかかわらず、

あのようなすばらしい体験をもたらしてくれた

大自然の優しさの威力に、

懐の深さに

ひれ伏すような感動を覚えます。

 

そして、もし、

自分の中の小宇宙のあり方を

大宇宙の理に沿ったものに戻して、

あのフッカー渓谷をもう一度は走ったら、

一体、どんなことが起きるのだろう…。

 

その思いを、

もう一度気持ちよく走れるからだを取り戻したいという願いの心底

燃やし続けながら、

壊したからだを調える方法を探ること25年。

 

先の見えぬ暗闇の中で、

様々な方法に出会い、試し、

教えをこい……

一筋の光を見ては、

そちらに向かうのだけど、

ひとつの方法である程度よくなるのだけど、

また、壁にあたり、

歩みが止まり……。

 

もう、あきらめようか、となるとき、

心の奥から、

「あの経験はいいの?」

の声が聴こえ、

 

気がつくと、

足が一歩前に出ようとしている。

だから、もう一歩、また一歩…。

 

そんな日々を経て

今、自分の中の小宇宙の秩序が、大分整ってきて気づいたのです。

 

真のコーチは、自分のからだの中にいたことに。

そもそもわたしたちは、気持ちよく走れるように作られていて、

自分が“快”と感じる方向に、からだを動かしていけばいいことに。

 

そして、そのコーチとは、自然であることに…。

 

あっちに、こっちに、探し求めてきた答えは、

とても、とても、シンプルでした。

 

***

 

といっても、

歪んだからだのまま走りすぎたツケは、

そうは簡単にチャラにしてくれません。

 

それでも、

今、そのシンプルな答えに従って

近くの公園を歩いたり、走ったりしていると、

調子のいい時は、

 

それを望んだときは、

フッカー谷でのあの至福の体験と似た感覚が、

小規模ながら、味わえるようになりました。

 

***

 

これは、走るのが大好きだからこそ、

辿りつけた世界なのかもしれないと思うとき、

 

ランニングの神さまは、いらしたんだなって、

こそっと、思います。

 

まだまだ滞りだらけのからだで、これだもの。

もっと流れるからだになったら、

一体どんなことが起きるの?

 

ワクワクが止まりません。

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