一昨日、
ピアニストの辻井伸行さんのコンサートに
予約電話1時間くらいかけまくって、
ゲットしたチケットを握りしめて
飛んでいった。
今回で彼の演奏会は2回目。
はじめてのとき、
最初の一音が
私に届いた瞬間、
涙がつーっと頬を流れた。
以来、大ファンだ。
今回も
終わった後、
足も胸も、
小刻みに震え、
手すりを使わないと、
会場の階段を登るのが危なかった。
*
音楽のこと、超ド素人だから
こんなこと書くのは、おっぱずかしいし、
それを語るには、語彙不足も甚だしい。
だけど、この感動を独り占めしているのは、
もったいないので、
拙さ丸出しで、感じたままに書いてみました。
*
彼の奏でるピアノから出てくる音は、
波で、
波の中で気泡が生まれるように
音が生まれてくる。
彼の場合、目が不自由だから、
最初、楽譜を見て弾くのではないはず。
誰かが弾いているのを聴いて、
彼の感覚のフィルターを通して感じた世界を
ピアノの音で再現していると聞いたことがある。
音符という記号を
例えば、スラーのような記号に従って
なめらかにつなげようとしているのではないはずだ。
だからか、はじめから波のように流れていて、
その中にすべての音が融け込んでいる。
ひとつの音の中から
次の音がすーっと
あるいはポッと
ときに、
ドッカ~ンと
生まれている感じ。
すべてがつながっている。
鍵盤から手を放している
間
そのときでさえも、
波があって、
調べが伝わってくる。
その調べに身を委ねていき
目に浮かぶのは、
水と光
風と光の戯れ。
ゆらめき
きらめき
さんざめき…。
「自然界の調べ」
ふと、そんな言葉が浮かんできた。
自然界はもともとすべてが繋がっている。
分断して後からつなげても
元のなめらかな美しさは戻らない。
動きと同じだ。
目が見えるがゆえに
その上っ面しか感じていない自分がいる。
その奥に幾層にも重なって
わちゃわちゃやっている
イノチたちの輝き。
私が感じていない美しく深遠な世界に
辻井さんの奏でる響きが連れていってくれた。
またも、つぶやいてしまう。
Life is Beautiful!