樹木希林さんが、女優人生の締めくくりに選んだ作品
『命みじかし 恋せよ 乙女』を
夫の誘いで、封切の日に観てきた。
希林さんが亡くなる2か月前に撮影されたものだ。
サブタイトに、
「人生は、本当の自分に戻る旅」とある。
「あなた生きているんだから、幸せになんなきゃダメね」
映画の中のこの台詞、
台詞ではなかった。
酸いも甘いも、
山も谷も
「面白がって」超え、
死の準備を始めていた希林さんの
全細胞から響く地の言葉に聞こえた。
「終了するまでに美しくなりたい、という理想はあるのですよ。存在そのものが、人が見た時にはっと息を飲むような人間になりたい。形に出てくるものでなくて、心の器量ね。」
これは
『樹木希林120の遺言』(宝島社)の最終章「死」の中にある希林さんの言葉。
まさに、映画の中の希林さんは、そういう存在だった。
美しい力に満ちていた。
「命みじかし~♪」
わたしは、もう乙女ではない。
さて、自分だったら、この後どう続けるかなと、
思ったとき、
浮かんだのが、
タイトル。
「命みじかし 愛せよ 自分…」