日頃は、自分のしたい趣味的なことは、
ひとりでとっととするだけで、
家族を巻き込むことはほぼしないけど、
ここ数年、毎年、
夏になると、
一晩だけ、
「今年もやるよ～！
いつならみんな揃う～？」
と、少し押し気味に声を掛けることがある。
それが、
純日本製、
手作りの手持ち花火を家族で楽しもう、
というプチイベント。
もちろん、子どもたちが小さかった頃は、
子どもたちから、「花火、花火！」とウルサイくらいだった。
だけど、成長とともに、その積極性は薄らいでいる。
私も好きは好きだけど、原色鮮やかな派手な花火なら、
自分からやろうという気は起きなくなってきている。
だが、この純日本製の花火は
ひと夏に１回は、味わいたい。
どの火の色にも透明感があり、
清楚な品があり、
飛び出してくる火花の形は洗練されており、
線香花火も柳火になってから長持ちして風情がある。
まあ、一言でいえば、
粋。
数より質を楽しむ
オトナ向けの花火
なのだ。
オトナになってきたわが子たちに、
ホンモノのいいモノを体験してほしいという願いもあるが、
なにより、私が花火職人たちの心意気に触れたいし、
この火飾りとともに、
「これぞ、ニッポンの夏の夜ぜよ！」
って、気分を味わいたい。
昨夜、
平日は残業ばかり。休日となると出かけてばかりの息子が、
台風の影響で友達との旅行を断念したので家におり、
夏休みに入ったとたん、キャンプだの合宿だの、宿泊行事続きの大学生の娘もたまたま家におり。
ほぼ家にいるが「え～、花火～？？？（めんどくさいな～、暑いよ～）」の雰囲気を醸し出す夫が揃ったので、
強行。
始めれば、
「ほぉ！」「へ～！」
の感嘆の声も時々上がり、
自分の花火が終わっても、
人がやっているのを静かにしみじみ見入る姿もあるが、
「やっぱり、きれいだね～」をしきりに連発し、
感心しているのは、まあ、私だけであり。
その温度差を感じつつも、
オトナになった家族とともに楽しむ
オトナの花火の時間は、
私の好みに付き合ってくれる家族の温かさを感じることを含め、
大切にしたい楽しみの一つ。
ご家族のみなさん、
つきあってくれて、
ありがとう。
＊
