抜ける青空・・・
高い青空・・・
澄んだ青空・・・
木漏れ陽ならぬ
薄雲から陽の漏れる空・・・
夕陽と薄月が共演する夕暮れ空・・・
ポチポチと星が光る夜空・・・
月光りする空・・・
いつからだろう
空を見上げるのが
こんなに好きになったのは。
***
わたしの名前
「美冬」は
空から来ている。
わたしが生まれた朝は、
西高東低の冬型気圧配置ってやつで、
抜けるように美しい青空だったという。
産室から病室に帰ってきた母が
その空を見上げて
「美冬」にしよう
と決めたのだという。
***
空を見上げるのが好きなのは、
そこから来ているのか
と思ってきていた。
それもあるかもしれない。
でも、でも、でも、
こどものときは、
空を見上げて、
足や手を止めることなんて、
たぶん、なかった・・・、
と思う。
それは、
たぶん、
空&自分、
じゃなかったから。
たぶん
空=自分だったから。
きっと
空と自分が切り離されていなかったから。
ひとつだったから。
***
おとなになってから
しょっちゅう、
空に魅せられ
青空のむこうに
憧れるのは
空と離れてしまったから。
のような気がしてきた。
***
朝、
畑で小松菜の収穫を終え、
空を見上げたときに、
そんなことに気づいた。
それから
帰宅して、
静かに座っていたら、
胸の奥で
青空の
たまごのようなものが
広がってきた。
ああ、
いたのか、
そこに・・・。