台風が来るのを前に、
トマトやナスの支柱を強化しに畑へ。
隣の畑の、70歳前後くらいの女性が、
私がランナーで体操の指導をしていることを知っていて、
話しかけてきた。
「走るなんて、えらいね~。
私は脊柱狭窄症で、動くと痛いといって、なんもしていない。
といっても、この動きをした時だけ痛んだけどね」
と、体を左側にひねる動きをしてみせた。
「イテテテテテッ」
「あの、あの、必要もないのに痛い動きはしないでくださいね。
そっちに動くと痛いんですよね?」
「そうそう」
「だったら、その反対の動きをゆっくりしてみてください。
鏡になって、一緒にやってみましょう。」
「その動きは痛くないですか?」
「全然!」
「では、その動きをゆっくりゆっくり5.6回、やってみてください。」
「こう?」
「そうそう!」
「では、さっき痛かった方の動きをやってみてください」
「こう?」
「そうそう! で、痛みどうですか?」
「あれ!? 痛くない! なんで?」
(これが、らせん流RUNワークショップのメインワーク一つ、
「操体法」なんだけど、
そんな専門的な話は端折って)
「どうやら、動物はですね。そういうふうにできているようなんですよ。
痛いとき、痛みから逃れる動きをすると痛みが消えるように。
なのに、私たちは、それを忘れてしまっているんですね」
「お金払って、何年も体操、習っている人いるけれど、
そんなこと知らないですよ」
「そうなんですよね。
動きにくい方をガンバってなんとかしようとしてしまう体操がまだまだ多いようですね」
「ありがとう! 気持ちいい方に気持ちいいだけ動けばいいのね!
これまで、私にいいって勧めてくれる体操、
どれも、やり方が複雑で、難しかったけれど、
これは、簡単だわ!やってみるわ。
お礼に、これ持ってってよ」
と、たくましく育ったサニーレタスを抜いて、くれた。
たったの10分くらい、畑のとおり道での出来事。
物々交換ならぬ、物”(体操)指導”交換。、
“辻”説法ならぬ、”辻”ワンポイント体操指導、も楽しい。