昨日、
今話題の国立博物館で開催中の特別展「人体」へ行った。
レオナルド・ダ・ヴィンチによる人体解剖図から、
最新の機器を駆使して知り得た人体のミクロの世界の紹介。
そして最後は「ネットワークシンフォニー」と称したスペースで、
そのミクロの世界が互いに連携を取り合いながら、
全体のバランスを取り合っている人体内部の世界を光と音声で疑似体験。
いわゆる宇宙を大宇宙と呼ぶなら、
私たちの体の内部には小宇宙とも呼べる世界が広がっている、
ということが、なんとなく実感できるスペースではあった。
*
ひと通り見終わって、外に出た時、
ふ~っと大きなため息をついていた。
私の“人体”は明らかに疲れていた。
多くの来場者で混雑する中、
狭い小部屋を巡回しながら
人体の奥の奥へと案内されていく
その環境のためもあったとは思う。
が、それだけではないように感じた。
*
人体の神秘を解き明かそうとする人類のあくなき挑戦、
そこに関わってきた先人たちへの感謝と敬意の念が
改めて湧いてはいた。
と同時に、疑問も湧いた。
こんなに人体のことがわかってきているのに、
病気は減らないし、医療費は増える一方だし、
この知識は人を幸せにする方向に、
どう役立っているのかなと。
ここで知り得た事実を、
どうとらえて、
どう活かしていくか、
そこなんだろうな、
そんな思いで外に出た時、
そこには肌に突きさす日差しがあり、
汗がにじみ出た。
*
向かいに、科学博物館常設の「地球館」があった。
吸い込まれるようにそちらに向かった。
そこのテーマは「人類と自然の共存をめざして」。
その1階、
宇宙の始まりから現在まで、
138億年を映像で旅できるゾーンにつづき、
地球の多様な生き物たちが独自の形態と生き方で
互いに深くかかわりあっている姿を
紹介するコーナーが広がっていた。
そこを、のんびり歩き見ていたら、
人体展での疲れが癒され、抜けていくのを感じた。
*
ミクロと同時にマクロを感じることの大切さ、
先へ先へと進むとき、
来し方=自分の根っこに思いを馳せることの大切さ、
そしてなにより、
大宇宙のことも、
小宇宙のことも、
未だ感知し得ないことが山ほどあるのだから、
それを敬い、
それとともに生きていきたい・・・
そんなことをあらためて思いながら、
最後は、
ロダンの「考える人」の前で、
「考え(すぎ)る人」。
を、やりたくなってしまった私でした。
恥ずかしながら^_^;